2024.03.15
ライブ配信(映像配信)の仕組みを知ろう│必要な機材や費用を安く抑えるコツとは?
商品やサービスのプレゼン、社内向けセミナー、ウェビナー(有料・無料を問わず)まで、近年実用性が高まっているライブ配信。しかし、ライブ配信を行いたいと思っても、何から始めたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、ライブ配信の種類やライブ配信に必要なもの、使用する機材の役割などについて詳しく解説していきます。また、ライブ配信にかかる費用を安く抑えるコツについてもご紹介していますので、ライブ配信を検討されている企業の広報の方やマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ライブ配信(映像配信)の種類
生放送と収録があるテレビ番組と同様に、スタジオにおけるライブ配信も3つの種類にわけられます。ライブ配信を行う際は、それぞれのメリット・デメリットを把握し、配信したいイベントやコンテンツに応じた配信方法を選ぶようにしましょう。
では、ライブ配信の種類にはどのようなものがあるのか、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
リアルタイム配信
リアルタイム配信とは、いわゆる生放送のこと。イベントやコンテンツを文字通りリアルタイムで視聴者に届けることができます。
配信スタジオでは、無料のウェビナーや社内イベントなどに活用されることが多く、テレビ業界ではスポーツや音楽ライブなどで目にする機会が多い配信形式です。
リアルタイム配信は、テロップやCG、グラフィックなどの編集を入れる必要がないため、予算を抑えて配信できるのが大きなメリットです。
しかし編集ができないことで、トラブルやリスクが高いというデメリットも。音が途切れたりセリフを間違えるなどの事故が起きてしまった場合、そのまま配信されることになります。
そのため、リアルタイム配信はあらかじめ長さが決まっていたり、原稿があることで間違いが起こりにくいプレゼンなどに適しているといえるでしょう。
事前収録型 後日配信
事前収録型とは、あらかじめ収録・録画した内容を、後日ライブ配信の番組中に再生する配信方式のこと。
間違えたところをカットする、テロップを付けるなどの編集ができるため、事故のリスクを減らし、映像のクオリティを上げられるのがメリットです。そのため、難しいプレゼンテーションや再現性の低いデモンストレーションなど、失敗する可能性が高いシーンに適しています。
しかし、編集する手間がかかる分コストがかかり、スケジュール調整が必要になるというデメリットも。また、ライブ配信ならではの臨場感やリアルタイム性が損なわれてしまうという側面もあります。
疑似生収録
疑似生収録とは、いわゆる一発撮りのこと。リアルタイム配信と事前収録のいいところを合わせた配信方法で、近年導入する企業が増えています。
疑似生収録は、リハーサルをすることでタイムマネジメントができるため、リアルタイム配信の緊張感や臨場感は損なわず、事故のリスクを減らせるのが特徴です。また、ほぼ一発撮りとなるため、編集コストを抑えられるというメリットも。
疑似生収録と相性がいいのは、バラエティやクイズ、抽選の演出、一発勝負のゲーム企画など。イベントなどの直前に撮影し、当日中に映像を配信する場合にも活用できます。
原稿通りに進めるため、リアルタイム配信と比べるとリアルタイム性には少し欠けるものの、コストや時間をかけず、できる限りクオリティを上げたい場合に適しています。
ライブ配信に必要な基本の4点セット
ライブ配信を行う際に用意しておくべきものについて、詳しく解説していきます。Instagramやtiktokよりも高度なライブ配信を行いたいのであれば、以下の4点セットは必ず用意しておきましょう。
1. 場所
まずは、映像を撮影する場所を用意しましょう。ライブ配信の撮影場所としては、主に以下のような場所が利用されます。
- スタジオ
- 自社の会議室
- イベントホール
- ホテル
配信するコンテンツやイベント内容、コストなどを考慮し、適した場所を選ぶようにしましょう。
2. 企画・台本
グラフィックやWeb、PVなどを制作する場合と同様に、ライブ配信も企画・台本からしっかりと考えなければいいものはできません。企画を考える際は、以下のことを明確にする必要があります。
- 誰向けの番組なのか
- どういった内容にするのか
- 何をPRするのか
企画を考えたら、台本を作成します。台本は、照明やカメラの指示などをスタッフ間で共有する際に必要となるため、以下の内容を記載しておきましょう。
- 時間配分
- どういう画にするか
- 音(BGM・SE)
- セリフ
企画と台本がしっかりと考えられていれば、番組を十分に成り立たせることができます。
3.スタッフ
ライブ配信を行うためには、最低でも以下の6つの役割を担うスタッフが必要となります。
- 撮影
- 照明
- 音声
- スイッチャー
- 配信管理
- ディレクター
ここで重要となるのが、専門分野や得意な領域を考慮したうえでスタッフを選ぶこと。ライブ配信を行うのであれば、モデルや風景を撮り慣れたカメラマンよりも、テレビ番組を撮り慣れたカメラマンの方が適していますよね。
このように、クオリティの高い映像を制作するためには、配信したいコンテンツやイベントの分野を得意とするスタッフを選ぶことが大切です。
4. 機材・回線
通常、スタジオをレンタルする際は場所としてのスタジオのみを借りることとなり、機材のレンタル会社などは別で探さなければなりません。ライブ配信を行う担当者は、スタジオの予約や機材のレンタルなど、さまざまな会社に連絡をして調整しなければならないため、業務が煩雑になってしまいます。
また、制作会社に依頼する場合、依頼した制作会社にネットワークがなければ配信に特化したスタジオかどうかなどの判断がつきにくく、クオリティに問題が生じてしまう可能性があります。制作会社を通す分、時間や費用がかかるというデメリットも。
時間や費用をかけず、クオリティの高い映像を制作したいのであれば、スタジオの予約や機材のレンタル、スタッフの手配などをすべて一貫して任せられる会社がおすすめ。
JPCはスタジオが窓口となり、機材やスタッフの手配まで、ライブ配信に必要なすべて任せられるため、コストを抑えて速いスピード感でクオリティの高い映像を制作することができます。
ライブ配信においては、ネットワーク回線も重要になります。Wi-Fiは電波が安定しなかったり障害物に遮られてしまう可能性があるため、安定した通信を必要とするライブ配信を行う際は、必ずネットワーク回線がしっかりとした有線LANを準備しましょう。
ライブ配信に必要な機材の役割をわかりやすくご紹介!
ライブ配信を行う際に使用する機材がそれぞれどのような役割を果たすのか、下記の図でわかりやすくご紹介しています。
では、それぞれの機材の特徴や役割について、詳しく解説していきます。
撮影:カメラ
ライブ配信で使用する映像用のカメラは、収録をするカメラとは異なります。
収録用のカメラにはシャッターやRECボタンがありますが、ライブ配信で使用する映像用のカメラにはレンズとボディしかありません。そのため、撮影した映像を記録する機能がなく、ただ映像を出力するためだけのものとなります。
映像用のカメラは映像を記録する機能がない分、収録用のカメラよりも安い値段で手に入れることができます。
照明:ライト
合成を行う場合は演者だけでなく、グリーンバックにもライティングし、全体を照射しなければなりません。
グリーンバックとは?
合成動画を撮影する際に活用される緑色のスクリーンのこと。グリーンバックを背景にして動画を撮影し、その背景を別の映像と合成する撮影技術のことをグリーンバック合成、またはクロマキー合成と呼びます。
テレビ番組や映画の場合、非常に大きな光量や出力を誇るHMIと呼ばれる照明機材を使用することがほとんどですが、ライブ配信の場合、音が出ずに熱がこもらないなどの特徴があり、長時間使用できるLED照明がおすすめ。LED照明はグリーンバックを使用した合成との相性もいいため、ライブ配信に適しているといえるでしょう。
音声:マイク・ミキサー
ライブ配信の音声の部分で必要になる機材は、音を入力するためのマイクと、入力された音声信号を出力するためのミキサーの2種類です。ライブ配信で使用されるマイクには、主に以下のようなものがあります。
- ピンマイク:服の襟などに取り付けて使用するマイク
- パウンダリーマイク:床や壁、机などに直接設置する平らな形状のマイク
- ハンドマイク:手に持って使用するマイク
音声信号を出力するミキサーには、入力した音声が聞き取りやすくなるようにエフェクトをかけるなどの役割があります。人それぞれで異なる声を整理し、ライブ配信に適した音圧や音量になるように調整することで、聞き取りやすい音声を作り出すことができます。
映像の切り替え・合成:スイッチャー
スイッチャーとは、映像制作や配信現場において、映像の切り替えを行うための機械のこと。スイッチャーは複数のカメラの映像やスライドなどの明るさ・大きさを整え、背景にCGを合成するキーイングの役割を果たします。
キーイングとは?
「色」や「明暗」などの成分から画像・映像素材の一部を指定し、抜き出す映像加工技術のこと。画像や映像を合成する際に使用される手法の一つ。
また、カメラで撮影した映像信号とマイクから入力された音声信号を一つに合わせる際にも、スイッチャーが必要になります。
配信管理:エンコーダー
エンコーダーとは、映像信号をネットワーク上へ伝送するために変換する機材のこと。
スイッチャーで作成された映像と音声が合わせられたものを、USBやLANケーブルなどを使用してライブ配信用の回線に送る際、エンコーダーが必要になります。
ライブ配信にかかる費用を安く抑えるコツとは?
ライブ配信にかかる費用はなるべく最小限に抑えたいですよね。そこでポイントとなるのが、スタッフの人数。
場所代を安く抑えることは難しいものの、機材やスタッフを無駄のない配置にすることで、ライブ配信にかかるコストを最小限に抑えられます。
では、具体的にどのようなことをすればいいのか、ライブ配信にかかるコストを抑えるためのコツをご紹介します。
カメラを固定カメラにする
撮影にはカメラマンが必要となりますが、固定カメラにすることでカメラマンが必要なくなり、人件費を削減することができます。
プレゼンなどのライブ配信を行う場合、プレゼンをする人は基本的にその場から動かないため、カメラを固定カメラに置き換えてみてもいいでしょう。
最小限のエリアだけをライティングする
グリーンバックを使用して撮影する場合、グリーンバックを含めて全体のライティングを行わなければなりません。しかし、演者が動く範囲を狭めることで、ライティングするエリアを最小限にできるため、照明にかかる費用を抑えられます。
プレゼンなど、演者があまり動く必要のないコンテンツのライブ配信を行う場合は、最小限のエリアのみライティングを行うといいでしょう。
スイッチャー・ミキサー・エンコーダーが合体した機材を使用する
ライブ配信には、以下の機材が必要になります。
- スイッチャー:映像の切り替えや合成を行う
- ミキサー:マイクや効果音・BGMなどのバランスを調整する
- エンコーダー:映像と音声を変換し、ネットワーク上で視聴できるようにする
これらの機材は素人が扱えるものではないため、ライブ配信を行う際は、それぞれの機材を扱うスタッフを手配しなければなりません。
しかし、このスイッチャー、ミキサー、エンコーダーの3つが合体した機材があるのです。3つが合体した機材は一つですべての機能が搭載されているため、機材の数を減らせるだけでなく、機材を扱うスタッフの数も減らすことが可能に。つまり、3つが合体した機材を使用することで、機材のレンタル料金と人件費の両方を削減することができます。
会議室や社内での配信は可能?
費用をかけずにライブ配信を行いたい場合、できる限り社内で内製化するために、会議室や社員などを利用したいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、機材のレンタルやスタッフの手配、台本の準備などをすべて社内で行うのには限界があります。
ライブ配信には決まった様式があり、専門的な知識が必要になります。事故を起こさないためにも、専門のスタジオに相談することをおすすめします。
まとめ
ライブ配信の種類やライブ配信に必要なもの、使用する機材の役割などについてお話してきましたが、いかがでしたか。
ライブ配信はハードルが高いと思われる方も多いかと思いますが、お話した内容をしっかりと把握しておけば、知識を応用していくことでライブ配信が行えます。
また、ライブ配信にかかる費用を最小限に抑えるためには、機材やスタッフを無駄なく配置し、機材のレンタル費用や人件費を削減できるよう、工夫して撮影を行いましょう。
ライブ配信を専門業者に依頼・外注する場合は、スタジオや機材の手配から撮影、配信までをワンストップで行える専門業者や配信スタジオを選ぶのがポイントとなります。
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